園や小学校でも、この「読み聞かせ」を行っているところが多いと思います。koro爺が勤めていた小学校でもボランティアさんのグループが行ってくれていました。この読み聞かせの時間に廊下を歩きながら見ていると、子どもが一生懸命聞いている姿が見えるんですね。ほとんどの子どもはこの読み聞かせが好きなんですね。
で、どうして読み聞かせをやっている(やってもらっている)のでしょうか。読み聞かせの効果はどんなところにあるのでしょうか。
1 聞く力を養うことができる。
2 集中力を養うことができる。
3 心を落ち着けることができる。
4 言葉から想像する力を養うことができる。
5 文章の理解力を養うことができる。
6 本に対する興味を育てることができる。
7 地域の人(他の人)との交流を図ることができる。
確かな検証を行ったわけではないですが、1,2,3,7あたりは、爺の観察からの主観ではありますが、着実な効果があると言えますね。「着実な」というのは、1,2回ではなく数年間の積み重ねがある中でという意味です。4,5については何とも言えないですね。どこかの附属小学校あたりでの検証を期待したいですね。
さて、6についてはどうでしょう。これについては、こんな結果があります。学校の司書さんからの聞き取りなのですが、「読み聞かせ」の後には、読んでもらった本や同じような本を探しに来たり、読んだり、借りていったりする子どもが増える、というものです。このことからも6の効果もあるようですね。でもその子たちは、全体からしたらほんの一握りなんですね。ふだんから本が好きな子、読書好きな子が多いらしいんです。すると、その一握り以外のほとんどの子どもには6の効果はあまり期待できないということでしょうか。いや、爺は、園や学校で行う読み聞かせの本質はここにあると思うのです。
文科省は、平成12年前後から、次のような方針を打ち出しました。(文科省ホームページから)
<子どもの読書活動の重要性>
○読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。
○平成12年12月の教育改革国民会議報告においても「読み、書き、話すなど言葉の教育」を重視すべきことが提言されています。
<現状>
○テレビ、ビデオ、インターネット等の様々な情報メディアの発達・普及や子どもの生活環境の変化、さらには、幼児期からの読書習慣の未形成などにより、子どもの「読書離れ」が指摘されています。
○平成14年5月に行われた調査(社団法人全国学校図書館協議会による)によれば、児童生徒の1ヶ月の平均読書冊数は、小学生が7.5冊、中学生が2.5冊、高校生が1.5冊、また、1冊も読まなかった子どもたちの割合は小学生9%、中学生33%、高校生56%となっており、中学校以降極端に読書量が減少しています。
また、平成12年に行われた経済協力開発機構(OECD)生徒の学習到達度調査によれば、「趣味としての読書をしない」と答えた生徒は、OECD平均では31.7%ですが、日本では55%となっており、「どうしても読まなければならないときしか、本は読まない」と答えた生徒は、OECD平均では12.6%であるが、日本では22%となっています。
これを受けて、様々な政策が進められてきたのですね。
たとえば、図書室の蔵書量を増やす、司書の養成、司書教諭の配置、社会教育との連携などです。
長くなってしまいましたが、結論として、園や学校では、読み聞かせをとおして子どもの本に対する興味を育てること、読書をとおして言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていくことが求められているんですね。具体的なところでは読書量を増やすこともですね。ここのところを見失いがちになっている園や学校もあるかもしれません。このあたりをせっかくの司書教諭が中心となって子どもの読書活動を推進していくことが今改めて求められているのだと思います。
最後に大切なことを一つ。
園や学校とは関係ない、家庭での読み聞かせっていいですね。子どもの情操を豊かにしたり、話を聞く力を育てたり、そして何よりも親子のコミュニケーションが豊かになりますからね。毎日できなかったとしても、たまにでも、思い出したときにでも、ぜひ読み聞かせてあげてください。
こう言うkoro爺も2才の孫にたまにやるのですが、最近ではこんな絵本が好評でした。
「でんしゃにのって(うららちゃんののりものえほん)」(とよたかずひこ著)
それで調子に乗って、本屋さんを巡ってうららちゃんシリーズを探したのですが、意外と置いてないんですね。アマゾン、おそるべしです。参考にリンクを貼っておきますね。
「子育て」という言葉はよく聞きますね。でも私はあえて「子ども育て」と言ってみます。とりあえずは子どもをめぐる問題を中心に、いじめ・体罰なども含めて、子どもを巡るもろもろの日常を書き綴ることから始めてみることにしましょう。
2018年2月6日火曜日
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